眼瞼下垂

眼瞼下垂は大きく『先天性』と『後天性』に分けられます。

1)先天性眼瞼下垂

先天性とは、生まれつき瞼を挙げる筋肉の働きが悪く、黒目がまぶたで覆われた状態です。

幼少期に手術を行う場合、成人以降に再手術を行ないます。
その理由としては、幼児期はまぶたの開きが不十分であることが多く、成人になってからのまぶたの状態が予想できないため、短縮量を控えめに調整するためです。
そこで眼の開きを大きく改善するには、瞼が器官として十分に発育した成人以降に再手術を行うことになります。


2)後天性眼瞼下垂

神経や筋肉の疾患である「動眼神経麻痺」「重症筋無力症」などもありますが、加齢に伴う老人性眼瞼下垂、コンタクトレンズ(特にハードレンズ)長期装用が原因のコンタクトレンズ性眼瞼下垂(腱膜性眼瞼下垂)が増えています。

●コンタクトレンズの長期使用が原因
中でもコンタクトレンズの長期使用が原因と思われる方が、年々増加しており、世の中にコンタクトレンズが普及してきて10年以上後からの普及率と腱膜性眼瞼下垂の発症率は同じような増加グラフ曲線を描きます。
しかし、コンタクトレンズは今や視力の悪い人にとっては不可欠なものであり、眼鏡に戻すというのもなかなか難しいのが現状です。

●片側のみの眼瞼下垂
他の眼瞼下垂よりも発現率が少ないようですが、必ず両側に症状が同時に発現するとは限らず、片側のみに症状が発現する場合があります。
予防的に同時に手術をする場合も時にあります。
また、数年後、十数年後に再発ということも念頭に置かないといけません。

●腱膜性眼瞼下垂の症状
腱膜性眼瞼下垂は、まぶたが開けにくいだけでなく、「肩こりや頭痛、不眠、イライラ感」などの症状も合併することが多いため、整形外科や神経内科などを受診されることがよくあります。
しかし、異常が見当たらないと言われることも少なくないため、単なる老化とあきらめてしまっている方も多くおられるようです。
正しく治療をすれば、日常生活がずいぶんと楽になります。


治療方法

1)腱膜固定法
皮膚側(通常はふたえのライン)を切開して、眼の開き具合に合わせて余剰皮膚も切除できるために、たるみも同時に改善することが出来ます。
※主に高齢者の「老人性眼瞼下垂、腱膜性眼瞼下垂」に適応します。

2)挙筋短縮法
「皮膚切開」または「結膜切開」にて、眼瞼挙筋を短縮し、上まぶたを大きく開くことになります。
当院ではミュラー筋は切除せず、眼瞼挙筋だけを短縮するようにしています。
※先天性眼瞼下垂と皮膚切開を嫌う方に行っています。

3)筋膜または腱移植
先天性眼瞼下垂で挙筋の機能がほとんどない場合が、本術式の対象となります。
ふとももの筋膜や長掌筋腱を採取して、瞼板と眉毛の皮膚下にこの筋膜を移植し、額の筋肉の収縮力を利用して目を開くようにする術式です。


●眼瞼下垂以外の患者の方
眼瞼下垂の手術は、整容的にも黒目がパッチリして明るく大変魅力的な表情になるため美容外科を訪れる患者様の中には、正常な眼の開きの方も少なくなく、『とにかく目を大きくしたい!』という、要望に対しても行っております。



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